闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
__特別だから
昨日の彼の言葉を思い出した。
その意味を先生に聞いても、仕方ないとは思うけれど。
「彼は、この近くで起こってる連続殺人の事を何か知ってる様子でした。 友達は、あの事件はあの伝説にも関係してると言ってました 」
「…… 」
「先生はどう思われますか? 」
あれ以来、殺人事件は起きてない。
ルキアが言うように、私が標的なのだとしたら辻褄が合う。
次の被害者はまだ出ていない。
そして、今までの被害者はみんな若い女性で首に不自然な刺し傷。
そういえば、最近よく首元に……
「そもそも、あなたが知っている説はどんな話? 」
三上先生は、机に向かって作業をしながらゆっくりと口を開いた。
「どんなって、この村に言い伝えられている物です 」