闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
どれだけ歩いただろう。
森へ入ってだいぶ経つけれど、まだまだ先は見えない。
「どこまで繋がってるんだろう 」
立ち止まって辺りを見渡すと、静かな中に木の声が微かに聞こえる。
それがうめき声に聞こえた気がして、まだ明るいとはいえ気味が悪くなった。
そういえば、ルキアが言うには私って狙われてるんだっけ。
こんな所に1人で来て、何かあっても自業自得って思われるかな。
……
やっぱり戻ろうかな。
道を引き返そうと振り向いた時だった。
何かに強引に腕を引かれ、大きな樹木の後ろに連れられた。
「た、助けてーっ! 」