闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「その耳飾り、どこで手に入れた 」
リンダは耳元のピアスを見て尋ねてきた。
「これは、大切な友達から貰った物だよ 」
「友達…… 」
眉間にシワを寄せてはいるが、威嚇するような体勢は消えていた。
ゆっくりと彼女に近づくと、私は手を広げてぎゅっと抱き締めた。
「貴様、何をするっ! 」
彼女は「ガルルルル__」と、歯を食い縛るような音を立てて、私の背中を叩いた。
それでも構わず、私はさらに強く抱き締めた。
「あんたと彼は共存して生きれない 」
「…… 」
「私と彼のように...... 」
胸がじわじわと熱くなった。
声には出していないけれど、リンダの肩がヒクヒクと動いていた。
きっとこの胸の熱さは、彼女の涙のせいだろう。