闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

携帯の時計を見ると、5時を過ぎていた。


日は長くなってきたとはいえ、そろそろ帰らなきゃ。



思ったより奥に来ていたらしく、歩いて10分程で森の出口へたどり着いた。



森を出た道は、いつもの景色とあまり変わらなかった。



多分、家は右の方にあるから、こっちの道へ行ったら降りれるかな。



「何してるんだ? 」



後ろで声がして振り向くと、薄暗い中にダークが立っていた。



彼の後ろには、そっと隠れて様子を伺っているリンダの姿があった。




「俺の妹、仲良くしてやってな 」



そう微笑み、リンダの背を押し前へと出した。


2人は兄妹だったんだ。


リンダは少し顔を赤らめると、手を振り払って奥の道へと消えて行った。



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