闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「気分はどう? 」
聞き覚えのある少し高めの声に振り替えると、ケイトが笑みを浮かべて近付いてきた。
どうしてここにいるんだろう。
一体ここはどこなの?
「え、ちょっ?! 」
突然腕を引き寄せられ、私の血の付いた指先をチュッと舐めた。
瞳がゴールドに輝き、獲物を捕らえるように私を見つめた。
その目と触れ合った瞬間、心臓がどくんと跳ね上がった。
彼がヴァンパイアである事を再認識させられた思いだった。
「あ、ありがとう。 手は大丈夫だから 」
手を引こうとした時、ズキッと指先に痛みを感じた。
「キャッ! 」
とっさに手を引くと、ジンジンとする指先を握りながら、1歩後ろへ下がった。
今、噛んだ?
___彼女の血は強烈に鼻につく、珍しい特別な香りがするんだ 。
ふとルキアの言葉を思い出して、ゴクリと喉が鳴った。
もしかしてケイト、私の血を吸おうとしてる?
「怖がらないで。 まだ血が出てる 」