闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

全て年期の入った古びた雰囲気のものばかりで、幻想的かつ神秘的。


そこはとても不思議な空間で、まだ夢を見ているかのようだった。


ヴァンパイアの街に遊園地だなんて、みんなで遊んだりするのかな。


図書館は、やっぱりそうゆう系の本が置かれてるのかな。



「気になる? 」


「ちょっとは……え、やっぱり心が読めるの?! 」


「知らなかった? 」


「知るわけな……っ! 」



そうニヤッとして私の足に腕を回すと、ひょいっと私を抱き抱えた。



やだ、これってお姫様抱っこ状態。


恥ずかしい、重かったらどうしよう。



「柔らかくて、抱き心地いい 」



耳元で囁くように言われて、私の頬は一気に薔薇色へと染まった。


そして次の瞬間、ビルの屋上から飛び降りるような勢いで体が急降下した。



「き、ぎゃあーっ! 死ぬーっ! 」





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