闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
今までも、散々読まれてたってことだよね。
レディの胸の中を読むなんて、この変態吸血鬼ーっ!
「安心しろ。 そうゆうのに興味はない 」
そう涼しい顔で言うと、私から体を離して颯爽と立った。
何それ、私1人で騒いで馬鹿みたい。
「来なよ 」
腕を引っ張られて起き上がると、目の前に大きな建物があって、私たちはそこのアーチをくぐって中へと入った。
〝ORINZER LIBRARY(オリンゼア図書館)〟と記されたその場所は、とても古い印象を受けた。
大きな扉を開けると、一面にレッドカーペットが敷かれていて、真正面には上へと続く大きな階段が左右に分かれて伸びていた。
まるで映画に出て来るような、どこかのパーティー会場のようだ。
どうして図書館なんかに連れてきたんだろう。
もうちょっと、2人でいたかった。
そう思って、私はハッと自分の感情に驚いた。
私、いつの間にルキアのことをそんな風に見ていたんだろう。