闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
もう、ほんとはずっと前からそう思っていた気がする。
そっとルキアの腕を掴むと、私は彼に身を寄せた。
今、聞いてる?
「…… 」
いろいろ戸惑う事ばっかりだけど、私ルキアの事が好きなんだと思う。
もっと触れたいし、ずっと一緒にいたい。
「…… 」
恥ずかしくて言葉に出来ない事でも、心の声でなら言える。
今思い切って告白したつもりだったのに、ルキアは何も反応しない。
ちょっと、聞いてるの?
問いかけても、ルキアの表情は変わらず無で
、ただ前を向いて歩いていた。
私は少しふてくされた顔をして、腕を組んだまま少し体を離した。
階段に足を踏み出して、降りてくる人たちとすれ違って行く。
みんなチラチラとこちらに視線を送っていた。
ゴールドに輝く目に青白い顔、血色の良い唇をキュッと上げて笑っている。