闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
呆れた顔をしながら、ルキアは右側にある部屋のドアを開けて中へ入った。
そこはたくさんの本がズラリと並べられており、何人かの利用者が読書をしていた。
周りをチラチラと見ながら、ルキアに寄り添って前へと進む。
奥の方まで歩いていくと、この図書館内でも相当古いであろうと思われる年期の入った本棚が現れた。
ふと目の前にあった『吸血鬼伝説』という本のラベルが目に入り、触れようと手を伸ばすと、バチッと静電気が起こったように、電流が私の体を走った。
ビクッとして、ルキアの腕を掴む手に力が入る。
「ここは結界が張られていて、上級のヴァンパイア以外の部外者には手が出せないようになってる 」
上級のヴァンパイアって、何だろう。
どうして結界を張る必要があるのか、さっぱり分からない。
「禁断書物だからだよ。ここにあるのは、危険な本ばかりだ 」
この本棚には、ヴァンパイアに関する書物が数多く並べられていた。
『吸血鬼の殺し方』『闇の血術』、その中からルキアは『血族について』という本に手を伸ばした。