闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~


ルキアはそんな私に気づかない様子で、淡々と本のページをめくっていた。



「それ、何やってるの? 」



ページの上で手のひらをかざしながら、ゆっくりと左右に動かしている。


その不思議な行動に目が止まり、体を前に乗り出した。



「脳にインプットしてるんだよ。 あそこの本は持ち出し厳禁だから、文章をコピーしてる 」


そんな事も出来るんだ。


そしたら、勉強なんかしなくてもテストは毎回お茶の子さいさい……



「くだらない事考えてんなよ 」



ほんとにふと考えたことも読んじゃうんだから。


私ら唇を尖らせて椅子にもたれかかると、『吸血鬼伝説』たる本を机の側面に立て掛けるように開き、パラパラとページを進めた。


細かくて読む気失せるな……。



《吸血鬼の能力》

・一時的な暗示をかける魔眠を持つことが出来る。

・風や雨など、自然を操ることが出来る。

・強力な魔術の類を操ることが出来る……



次のページをめくる。



《吸血鬼の封印》

光のない闇の世界に生きる者たち、ヴァンパイア。


彼らを封印するには幾つかの方法がある。



そのひとつ目は___



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