闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
しばらく歩いていくと、突然ルキアが足を止めたので、その反動で私は前に転びそうになり慌てて彼の腕にしがみ付いた。
もう、急に何……
すると前から、コツコツとヒールの音を立てながら、若い綺麗めな女の人が歩いて来た。
「…… 」
ルキアは真顔で、彼女を上から下まで見ている。
豊満な胸に、肉付きの良い体のパーフェクトボディの美白美人。
ふーん、こうゆう大人の女って感じがタイプなんですか。
ヴァンパイアだろうけど、ちょっとジェラシー。
つーか、いくらなんでも見過ぎでしょ!
白い目でルキアを見ると、グイッと腰を引き寄せられた。
「うわっ、急に何……っ 」
その女の人がルキアの肩に触れると、一瞬世界が歪んで見えた。
目の前がぐるぐる回って、おかしくなりそう。