闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
ふと意識が戻り、私は虚ろな目をパチパチとさせた。
「体は何ともないか? 」
「うん……大丈夫 」
今のは何だったんだろう。
頭の中に、ナレーションのような物が入ってきて、まるでミュージックビデオでも見ているみたいに映像が映し出されていた。
不思議にモーガンを見ると、そっと私の胸に手をかざした。
「赤い月が現れて、再び純血が蘇る。 その話には続きがあるんじゃ…… 」
そう語りながら、気を集めているのか手に力を入れている。
なんか、体が熱くなってきた気がする。
何か変な感覚が湧き上がってくるように感じた。
呼吸が荒くなってきて、隣に座るルキアの腕を強く掴んだ。
く、苦しくて思うように息が出来ない。
発作が起こったように、肩を上げて酸素を吸う。
「樹理っ…… 」
た、助けて……