闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
モーガンの言葉が、頭の中にナレーションとして入って来た。
「何それ……意味分かんない。 そんな危険なもの私に飲ませたの? なんでそんな事出来るの?! 」
私はルキアの腕を掴んで体を揺さぶった。
私の命より、村の平和の方が大切なんだ。
この人たちが、恐ろしいと感じてしまった。
「樹理が本に触れた時、もしかしてと思った。 もし樹里が純血なら、どの道させられる事には違いなかったから、そうなる前に俺たちで確かめたかった 」
「ここには解毒剤もあるからの 」
「じゃあ、それを確かめるたまに私を連れて来たってこと 」
私は机に肘を付いて頭を抱えた。
頭が混乱する。
「わしが迎えに行ったのじゃよ。予言では、今宵赤い月が現れる…… 」
そうカーテンを開けると、薄暗い空は闇へと変わり、ほのかな光が顔を出し始めた。
光は段々と色を変え、燃えるような赤へと変化した。
月が赤い……!
「とうとうこの日が来てしまったのじゃ。 奴等は必ず動き出す…… 」
私はゆっくりと顔を上げた。
「黒手団。 サバトという組織の中にある、悪のヴァンパイア集団 」
「その伝説にある、封印された吸血鬼じゃよ…… 」
封印が……解かれた?