闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

古典の授業が始まって、教科書が不手際でまだ届いていなかった為、彼に見せてもらう事になった。


真ん中に置いてくれてるのはいいけど、ずっと外を向いたまま1度もこっちを見ないし、完全に私を避けてる感じ。


その態度が気になって、先生の言葉なんて耳に入ってこなかった。


こんな生活がこれから繰り返されるかと思うと、先が重い。



「ねぇ、名前なんて言うの? 」



私は彼に思い切って話しかけてみた。


初めに壁を作ってしまったら余計に出遅れるし。


すると、1度もこっちを向かなかった彼が振り向いた。


やった!



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