闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

自分でも分からないけれど、無意識に出たものだった。



「ルキアが危ないってことは、樹里ちゃんにも危険が及ぶって事になるよ 」


「……分かってる 」


「だだのヴァンパイアが相手じゃないからね。その覚悟出来てる? 」




一瞬、声が出てこなかった。


そんなに念をおされると、不安になっちゃう。


ただ、ルキアに戻ってきて欲しいっていう気持ちだけじゃいけないのかな。



「じゃあ見せてよ。 あんたが言う、誰かを好きな気持ちってやつをさ 」



そうふっと笑みを浮かべると、私の肩を抱き寄せて頭を覆った。



強く瞳を瞑ると、胸がキュッと苦しくなった。



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