闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「帰って来たんだ 」
ルキアは前を向いたまま、そう答えた。
私は構わず話を膨らます。
「昔ここにいたんだ。どこに住んでるの? 」
「……さぁ 」
「さぁ、って……」
チャイムの代わりの音楽が鳴ると同時に、ルキアは立ち上がり教室を出ていった。
「何あいつ 」
ムスッと膨れながら私はノートを閉じた。
転校生は最初が肝心なのに、露骨に避けなくても良いじゃない。
「頑張ってアピールしても効果ないよ! 転校生ちゃん 」
いきなり前の席の女の子が話しかけてきた。
突然のことで、私は少し驚いた。