闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
神妙な面持ちで下へ降りると、後からお姉ちゃんが起きてきた。
「お姉ちゃん、いろいろごめん。ちゃんと、何があったか話すから 」
「やっぱり 」
そうふんと鼻息を吐くと、お姉ちゃんは腰に手を置いて私を見た。
「あんた今日は誰と待ち合わせ? 例のゆうきくん? 」
「だから優希は女の子だって……待ち合わせって? 」
心当たりのない話に首を傾けながら、テーブルの上にあったはちみつパンを頬張った。
「今日は早く学校行くんでしょ? 何か確かめたい事があるって言ってたじゃん 」
その言葉を聞いて、私は手の動きを止めた。
あれ、この光景って前にも見た記憶がある。
「真面目な顔しちゃって、どうせ気になる彼のことでしょー。 隠さなくてもいいのにさー 」
そうお姉ちゃんは冗談混じりに笑った。