闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
朝早く出たのは、ルキアの素性を探るために三上先生と話をした日だけだ。
この会話に覚えがある。
一体どうなってるのか。
「今度紹介しなさいよ 」
そう笑ってお姉ちゃんは私の背中をパシッと叩いた。
やっぱり何かおかしい。
何日も連絡なしで帰らなかったのに、まるで心配もしていないようだ。
お姉ちゃんは、私がいなかった事に気付いてないのかな。
それとも、あの日から時が経っていないのかもしれない。
「とりあえず、行ってくるね 」
「いってらっしゃいー 」
あれから月日は経過しているはずなのに、三上先生と話した日に戻っていた。
ちょうど魔界へ行く前のことだ。
私はあの日と同じように三上先生を待ち伏せた。
彼女は何事もなかったかのように、以前の様子で現れた。
職員室へ誘導されると、私はあの日とは違う質問をした。