闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
クラスのみんなは相変わらずで、芦屋を筆頭に騒がしいけど、以前のような嫌がらせなどは無くなっていた。
「樹里、また本読んでるの? 最近本の虫だね 」
「うん、やっと読み終わるとこ」
そう笑って私は分厚い書物を閉じた。
今日は、いつもより教室が賑やかな気がするのは気のせいだろうか。
キョロキョロと目を動かしながら、みんなの顔を見渡す。
「12月だってのに転校生来るんだって。 だからみんなソワソワしてるんだよ 」
優希はそう呟くと、音楽が鳴り体を前に戻した。
転校生という言葉が、妙に胸の奥に引っかかって、モヤモヤした感覚が現れた。
ゆっくりと前のドアが開き、三上先生が入って来ると、その後ろから明るい髪をした男の子が現れた。