闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
なんとなく視線を感じて振り返ってみると、その先に芦屋が仁王立ちしてこっちを見ていた。
ランチを運びながらこっちの方へ向かって来る。
「ご、ごめん優希、やっぱりうちら向こうで食べるね 」
そう言って2人は足早に去って行った。
その光景を見ながら、薄ら笑いを浮かべると、芦屋は私たちのテーブルを過ぎて行った。
「優希、私といると友達なくすかもよ 」
「大丈夫。怯えてるだけで、あの子たちはそんな子じゃないから 」
その笑顔が私にとって、ゆういつの救いだった。