闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
窓の外に視線を戻すと、覆っていた葉の中から1件の家が現れていた。
「わぁー、すごい……お城みたい 」
それは、ドイツのノイシュバンシュタイン城のように幻想的で、何か惹き付けられる屋敷だった。
「お父さん、あれ何?! 誰かの家かな 」
「どれ、今ちょっと見れない 」
「お母さん、ほらあの右の白い…… 」
「えー、どれどれ? どこに家がある? 」
そんな会話をしているうちに、その建物はまた木々の中に消えてしまった。
一体、どんな人が住んでいるんだろう。
私はその建物が見えなくなるまで、ずっと後ろを見つめていた。