闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
落ちる!
イスから落ち……
次の瞬間、反対から手が伸びてきて肩をがっしりと抱き抱えられた。
目を見開くと、その腕の正体はルキアだった。
「大丈夫か 」
そう彼は優しく体を起こしてくれた。
周りを見渡すと、もうケイトの姿はなかった。
「ケイトはどこ行ったの 」
「教室に戻った 」
たった今までここにいたのに。
さっきのは何だったんだろう。
まだ鼓動が速いのが分かるくらいドキドキしていた。
「また助けてくれたんだね。 でも、どうしてルキアがここにいるの? 」
「偶然…… 」
そう言葉を濁して立ち去ろうとする彼の腕を掴んで、私は呼び止めた。