闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「どうしてルキアの兄弟はあんな事するの? みんなにしてるの? 」
「それはない 」
「私、どうしたらいいか分かんない 」
ゆっくりと立ち上がり、微かに震える腕を反対の手で支えた。
その掴んだ手に力が入る。
「ごめん、あれにはちょっと事情があって 」
「どんな事情? 」
後ろ姿に問い掛けたけれど、首を振って答えてはくれなかった。
「それだけ、お前の...... 」
そう振り返った彼を不思議そうに見つめる。