闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

そう言いかけて、またルキアは口を閉ざしてしまった。


一瞬、彼の目が切なそうに見えたのは気のせいだろうか。



「怖かったら、この土地から出てってくれ 」



まさか、ルキアにもそんな風に言われるなんて思いもしなかった。



「俺の前から消えてくれ 」


「そんなのひどい…… 」



私は彼を押し退けて、すぐに保健室を出た。


何かあるとすぐ来て助けてくれた。


彼は他のみんなとは違う。


そう思った私がバカだった。


結局は、ルキアも芦屋たちと同じなんだ。



__ 俺の前から消えてくれ



その言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る。


あんなヤツ、もう知らない。



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