闇のプリンス ～ヴァンパイアと純血の戦士～

しばらく静寂な空気が流れていた。


私もエドマンド先生も、ただ黙って座っていた。



「人間というのは、哀れな生き物だ 」



彼は遠い空を見つめてそう呟いた。



「誰かと共にいなければ生きてはいけない。……常に死と隣り合わせで、それは突然やってくる 」



彼はゆっくりと立ち上がり、枝になる葉をそっと掴んだ。



「その儚い人間に心を惑わされる悪魔は、哀れな生き物なのかもしれないな 」



彼はそう呟くと、静かにその場を立ち去った。