闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「大丈夫? 」
彼は足に大きな傷を負っていて、そこからたくさん出血していた。
「すごい血、どうしよう! とにかく止血しないと 」
急いで制服のポケットからハンカチを取り出して傷口に当てると、髪を結っていたリボンを解きその付近を縛った。
「痛っ…… 」
辛そうにしてる。
これでは思うようには縛れない。
「そうだ、救急車...... 」
スマホを開いた時、勢いよく腕を掴まれた。
えっ……?
「いい。 呼ばないで 」
彼はそう言うとスマホを手で塞いだ。
「でも血が…… 」
もう一度スマホを触ると、電源切れのマークが出て画面が暗くなった。