闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
夜、最近起きていることを考えてた。
この白城村に来てから、不思議な事ばかりが起こっている。
突然人が現れたり、忽然と消えたり。
ただ単に私が可笑しくなっているだけなのか。
「おーい、樹里聞いてる? 」
ふと声が耳に入ってきて、気付くとお姉ちゃんが私の顔の前で手を動かしてた。
「えっ、ごめん。 聞いてなかった 」
「ずっとボケボケしてんだもん。今日の事は謝ったでしょー。まだ許してくんないの? 」
ソファーに寝転びながら、お姉ちゃんは雑誌をペラペラめくっている。
「そんなんじゃないよ。ちょっと考え事してただけ 」
そう言って呆然と一点を見つめていた。
ごめん、お姉ちゃん。
また何か喋ってるみたいたけど、この時ばかりは何も頭に入って来なかった。