闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
親のいない初めての朝は戦争だった。
いつものようにリビングにいても何か違う。
あったかい空気や心地良い物音がない。
「寝坊したー! 今日早く行かなきゃいけないんだよっ 」
お姉ちゃんが大きな足音を立てながら降りてくると、すぐに洗面所へ入っていった。
「お姉ちゃーん、朝ご飯作ってよ 」
「自分でやって! 私今忙しい 」
そんな感じで、私は黙々と1人ベーコンエッグを焼いていた。
テレビの前ではお姉ちゃんが慌ただしく制服に着替えている。
「テレビ見えない 」
「ごめん、ごめん 」
と言いつつ、ちゃっかりその場で靴下を履いてる。
私が用意しておいたミルクパンを取り、「いってきまーす」と足早に出て行った。
慌ただしい人。
私は1人、出来上がったご飯をダイニングテーブルに座って食べる。
静かすぎて、少し心が寂しく感じた気がした。