闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「あんたさ、好きな人とか出来た? 」
「な、出来るわけないじゃん! 」
突然の問いかけに、ガチャガチャと音を立てながらテーブルに置いたティーポットから紅茶を入れた。
「そうゆうお姉ちゃんはどうなの? 」
カップを持ちながら、前をチラりと見た。
「あんな変な集団にいるわけないでしょう。 どっかにいい人いないかなぁー 」
結構重症みたい。
お姉ちゃんも毎日大変なんだよね。
平気そうな顔して強がってるけど、ほんとは傷ついてると思う。
その時、玄関のチャイムが鳴り、私たちは顔を見合わせた。
誰だろう。
うちを訪ねてくる人なんてまずいない。
静かな部屋に鳴り響く音が、余計に妙な緊張感を生んだ。