闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
ダークはポケットから何かを取り出すと、私の手の平にそっとそれを置いた。
「これ何? 」
それは、指輪が入るくらいの小さな白い袋だった。
「お守りみたいな物。 最近何かと物騒だろ? 」
「そうだね。ありがとう 」
ダークは他にも何か言いたそうな顔をしていたが、口を閉じてしまった。
「家はこの辺りなの? もしかして、同じ学校だったりする? 」
私は頭に浮かんだ疑問を率直に投げかけた。
「いや、違う。 あの森より、もっと奥に住んでる 」
森よりもっと奥ということは、この村の人じゃないんだ。
そして私はハッとした。