闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

もしかして、あの時の怪我はあの伝説が原因かもしれない。



「この村には近付かない方がいいかもしれない。変な言い伝えがあるみたいだから 」


「もしかして、あの伝説のこと? 」



知ってるんだ。


意外と真面目に有名な話なのかな。



「あの噂はデタラメだ。襲ったりなんかしない 」



ダークは伏し目がちに声色を下げた。


どういうこと?


私が不思議そうに彼を見ると、「じゃあ、また 」と彼は再び笑顔で去って行った。



今のはなんだったんだろう。


あの伝説は、間違ってるってこと?


でも、どうしてダークがあんな事を言ったんだろう。



顔も少し暗く感じたのは気のせいかな。



私は玄関の鍵を閉めると、手のひらを見た。



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