闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~

「今の誰? 」


「お、お姉ちゃんっ! 」



急に背後から飛び付かれて、私は身動きが取れなくなった。


お姉ちゃんはニヤニヤしながら私を見ている。


「別に誰でもいいでしょ。重いから降りてよ 」



お姉ちゃんを払うと、私はスリッパを脱いでリビングへ入った。



「カッコいい子だったじゃん。 もしかして彼氏? 」


「違います! ただのと・も・だ・ち! 」



私は顔を赤くしてプンスカと頬を膨らませると、階段を上がり大きな音をたてて部屋のドアを閉めた。



すぐ面白がってからかうんだから。



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