闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
目の前には、ここを初めて訪れた時に見た、あの白いお屋敷が立ちはだかっていた。
私は恐る恐る一歩一歩前へ踏み寄った。
「小嶺……? 」
駐車場の方から目を丸くしたルキアが姿を現した。
私は少し挙動不審に彼に歩み寄る。
「どうやってここが? 」
「ごめん、付けて来ちゃった 」
そう苦笑して、気まずそうにしながらもルキアの前に立った。
「付けてって…… 」
ルキアは、草が生い茂る細道の方を見ながら頭をくしゃっと押さえると、少し困った表情で苦笑した。
「びっくりしたよ。 白城村に来た時ね、このお屋敷には誰が住んでるんだろって思った事があるんだ。 まさか、もう1度見れるなんて思わなかった 」
私は屋敷を見ながらため息を付いた。
彼に視線を送ると、すぐに視線を外されてしまった。