闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
彼の腕がそっと離れ、体は寄り添ったまま私はゆっくり振り返った。
そこには、明るめの茶色いウェーブのかかった髪をした少女が立っていた。
黙ったまま、じっとこちらを見ている。
「何しに来た? 」
少女は鋭い目付きで私たちを睨み付けた。
何なのこの子。
私はギュッと彼の腕を掴んだ。
「誰だ、そいつは 」
彼女は私を見て、冷たい声色でそう呟いた。
その眼は、まるで獲物を捕らえようとする獣のようだった。
「俺の大切な仲間だ 」
そう答えると、ルキアは私を背中へと隠した。
「仲間…... 」
彼の後ろからそっと彼女を見ると、まだ幼く中学生くらいの少女に思えた。