闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
気まぐれ王子
家の中に誘導されて、私はあの屋敷へと足を踏み入れた。
中へ入るとすぐ、シャンデリアの飾られた居間のようなところに通された。
大きな長いテーブルと、気品溢れる椅子が多く並んでいる。
まるで西洋の貴族が住んでいるかのような部屋で、すごく素敵に見えた。
こうゆう内装、映画やドラマで見たことある。
ルキアは品のあるティーカップで紅茶を持ってきて、黙って私の隣に腰を下ろした。
何も話さないから、私も黙ったまま椅子に座っていた。
紅茶をすする音だけが部屋に響く。
「あのさ…… 」
「ねぇ…… 」
同時に重なる2つの声。
気まずそうにお互い視線を反らした。
「先、いいよ 」
私は気まずくなって、下向き加減に呟いた。
「今日はここに泊まっていけ 」
「ぶーっ! 」
私は思わず飲んでた紅茶を吹き出して咳き込んだ。