闇のプリンス ~ヴァンパイアと純血の戦士~
「今日は帰さねーって言ったのは、お前が危ないからだよ 」
ルキアはベッドから降りると、ドアの前に立った。
私はまだ火照った体を起こして彼を見る。
私が危ないですと?
ここに泊まる方が、よっぽど危険な気がするんですけど。
「今夜は外へ一歩も出るな。出させないけど 」
「あの、何言ってるかイマイチ分かんないんですけど。 ちゃんと説明してよ 」
ルキアは再びこっちへ戻ってくると、ベッドに半分腰かけた。
そして私の腰の両側に、ギシッと手をついた。
いちいち顔が近いっ!
至近距離で目が触れ合って、私は耐えれず視線を反らした。
「一晩中、俺に捕まえられてたい? 」
「馬鹿、ヘンタイーっ! 」
私がムキになってポンポンとルキアの胸を叩くと、それを見て面白がって笑っていた。
「冗談だよ。 ちゃんといい子にしてなよ 」
そう言って彼は部屋を出て行った。