イジワルイケメンの先生と切なく秘密の甘々恋愛
「もし俺が完全に宝石になったら身に着けて欲しい」


嵐先生は遠い目をして、いつもそう言う。


魔法というか呪いは解けないで病気が治る見込みがないらしい。


私は幸せが長く続かないと悟った。


それでも限られた時間を精一杯一緒に生きたい。

「俺、昔は声優を目指してたんだ。オーディションに合格した事もある。だけど病気のせいでプロは諦めたんだ。もし俺が死んだら代わりに目指してくれよ」


悲しそうな瞳をする明を力一杯抱き締めて俺はキスをした。


ごめんな。


結婚できないかもしれないけど愛してるから、泣くなよ。


ごめんな。本当に、幸せにできなくて……。


俺は、おまえに出会えて今最高に幸せだよ。


ありがとう明。
< 39 / 50 >

この作品をシェア

pagetop