奪い合い
幽体離脱
AM 01:54
「ふぅ。」
少女はベッドに身体を投げた。
彼女の名は“邦華”
中3の受験生である。
「今日はお風呂に入らなくていいか…」
横たわったまま邦華は呟いた。
どうせ、一日中勉強をしていたのだから。
ここ1ヶ月は(学校以外の)外に出ていない。
新しい服が欲しいけれど……
母はどうせ外に出してくれないし。
-私の志望校はこの地域で一番レベルが高いから……
<私の志望校>ではなく、<母の志望校>の方が正しいかもしれない。
邦華はフフフ、と笑った。
バカみたい。
高校って自分の夢を叶える為にあるんじゃないの?
私は…親の夢を叶える為に高校に行くのかな……
邦華は深い眠りに落ちた。
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