奪い合い
気づいた時にはベッドに倒れている自分の姿が見えた。
「嘘……なんで……」
邦華は混乱していた。
ふわふわふわ
体が浮いているはずなのに…
邦華は自分の体を眺める。
よく見ると、この体は透けていた。
「ふふ、どう? 身体から離れた気分は?」
___あの声だ…
邦華は勢い良く振り返った。
後ろには、女の人がいた。
邦華と同じように透けている。
「え…あの……あなたは………?」
邦華は思わず訊ねた。
「私は陽子。
私も今は身体から離れているのよ。」
女の人、陽子は笑いながら言った。