花よりも美しく


「久しぶり、兄貴」


理生の登場に、月子は忍の背に隠れる


「・・・何かしたのか?」


自身の背に隠れる月子を少し気にしながら、忍が理生を見る


「何も?兄貴の嫁だぜ?」


な?

という理生の言葉に、月子は何も答えることができない


「何故、ここにいるんだ?」

「家に電話したら、ここに出かけた、って言うから。結婚式出なかったし、挨拶しとこうかなぁ、と思って」


笑う理生にため息をついて、忍は月子の手を掴む


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