花よりも美しく


「あ、あの・・・ッ」


そのまま、黙って車へと向かう忍を、理生はひらひらと手を振って見送った





無言の車の中、月子は何度か忍を見る


「何か言いたいことでもあるのか?」

「い、いえ・・・」


目を逸らして、月子は自身の手を握りしめる


「理生から、何か聞いたのか?」

「・・・・・・・・・あの場所が、忍さんのお母さんの・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・そうか」


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