花よりも美しく


理生の苛立ちを含む言葉に、忍は反論しようてしたが、すぐに口を閉ざす


「反論できないのが証拠だな。・・・そんなんで、良く俺にあいつを混乱させるな、とか言えるな」

「・・・・・・・・・・・・ッ」


忍が、やりようのない怒りを噛み締める


「手放すつもりなら、俺が貰う」

「・・・・・・理生?」

「好きでもない野郎と結婚したのに、そいつの為に泣いてた」


向日葵の中、涙を流す彼女は、あまりに弱く見えた


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