花よりも美しく
その中に垣間見えたのは、一瞬だけの儚い美しさだった
「・・・・・・どうでもいいだろ?なんとも思っていない女を、俺が奪っても」
忍をすり抜けて、理生は寝室を出ていく
「そんなこと、言われなくても分かってる・・・ッ」
自分の為に泣く月子を、優しい言葉をかけることも出来ず、ただ見ていることしか出来なかった
幼い娘のようなのに、その瞬間、忍の心を締め付ける、儚く美しい涙を流す月子
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