花よりも美しく


誇らしげに、限られた時の中でしか生きられない花

枯れていって、いつか自分の手の中から消えてしまう


「・・・・・・・・・忍さん?」


寝室の入り口で立ち尽くす忍に、着替えた月子が躊躇いながらに声をかける


「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・あ、あの・・・ッ」


話すことなく見つめられて、月子は困惑する


「例えるなら、梅の花、だな・・・」

「・・・・・・???」


< 119 / 361 >

この作品をシェア

pagetop