花よりも美しく
注意されて、月子は視線を逸らす
確かに、失礼だと思う
「君が、日野 月子?」
「・・・・・・はい」
机を間に挟んで向かい合う2人
月子は膝の上に置く自分の手を見つめて、静かに答える
「おばあ様の命令だから、僕は君と結婚する。それを忘れないでくれ」
「はい・・・」
握りしめた手に、力がこもる
こんな人と、自分は結婚するのだと思うと怖くなってしまった
「君はまだ学生だけど、学業よりも大切なことがある」