花よりも美しく
花を手折る者
自室に飾られた百合が、その一生を終えようとしていた
手折られた花は愛でられながら、普通より短い一生を終える
「・・・・・・水、かえなきゃ」
花瓶に一輪だけ挿してある百合の花を眺め、月子は小さく呟いた
─────ザー・・・
蛇口から流れる水を眺め続ける月子
知らずため息が漏れて、我に返る
「しっかりしなきゃ」
気落ちしていても仕方ない
気持ちを切り替えなくては