花よりも美しく
優しい笑いかた
花瓶が割れた
花の挿していない花瓶が、真っ二つに割れた
「あ・・・」
水を入れていなかったから、水浸しになることはなかったが、割れた花瓶の欠片が、氷の粒のように光る
「どうかしたのか?何か、凄い音が聞こえたが・・・」
部屋に顔を出した忍が、月子の足下で割れている花瓶に気づく
「す、すみません」
「・・・怪我は、ないのか?」
謝る月子に投げかけられた言葉は、意外なものだった