花よりも美しく


月子は扉越しに忍の声を聞きながら、急いで服を着替えた


「お待たせしました」

「あぁ。・・・実は、明日京都に出向くことになったんだ。日帰りだから、夜には帰って来るが・・・」

「そうですか。日曜なのに、大変なんですね」


忍を見上げて、月子はうなずく


「それで、なんだが・・・」

「はい?」

「一緒に、来るか・・・?」

「・・・・・・・・・・・・」


想像もしなかった言葉に、月子は答えに詰まってしまう


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