花よりも美しく


「えっと、それは・・・」

「まぁ、つれ回すことになると思うが・・・」


精一杯の勇気を振り絞った、という風の忍

月子が、そんな忍に気づくことはなかったが


「・・・・・・行っても、いいんです?」

「・・・あぁ」

「ありがとう、ございます」


微笑む顔を見られるのが恥ずかしくて、月子はうつむいてお礼を口にする


「・・・・・・礼を言われるようなことじゃない。僕は風呂に入るッ」

「は、はい・・・ッ」


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