花よりも美しく
立ち去る忍を見送って、月子はゆっくりと扉を閉めた
沈黙。
無言。
気まずくなって、理生は音楽でもかけようかと考える
後部座席の真子は、無表情に窓の外の景色を眺めている
「・・・・・・・・・理生さんは、大学生なんですよね?」
「ん?あ、あぁ、そうだよ」
急に話しかけられて、理生は慌てる
「・・・・・・?・・・モテるんじゃないですか?」
「そんなことないよ。現に、俺には彼女なんていないしね」